GXGX補助ナビ

国(SII)と東京都のGX補助金は併用できるか——基本ルールと組み合わせの考え方

監修:松下 大中小企業診断士/認定経営革新等支援機関株式会社SMARTコンサルティング
最終更新:2026/8/21

GX投資では「国の補助金と都の助成金、両方使えるのか」が最初の実務論点になります。原則はシンプルで、同一の経費に対して国庫補助金を重複して受給することはできません。また、SIIのDR対応IoT化推進事業のように「他の国庫補助金との併用不可」を公募要領に明記する制度もあります。一方で、対象となる設備・経費が明確に分かれていれば、国と都の制度を事業全体の中で使い分ける設計は検討の余地があります。可否の最終判断は各制度の公募要領・交付要綱の併用規定で確認するのが唯一の正解です。

大原則:同一経費への重複受給はできない

補助金の併用を考えるときの出発点は「何に対する補助か」を経費単位で見ることです。同じ設備・同じ工事費に国の補助金と都の助成金を重ねて受けることは原則できません。例えばSIIの省エネ補助金で高効率空調の設備費の補助を受けながら、同じ空調の設備費に都の助成を受けることはできない、というのが基本です。制度によっては公募要領に併用禁止を明記しているものもあり、SIIのDR対応IoT化推進事業は「他の国庫補助金との併用は不可」と記載しています。まずは検討中の各制度の公募要領・交付要綱にある併用・重複に関する条項を確認してください。

検討できる組み合わせ:設備・経費を分ける

併用が問題になるのは同一経費への重複であって、事業全体で複数制度を使うこと自体が一律に禁止されるわけではありません。たとえば、太陽光発電と蓄電池は都の地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業、高効率空調やボイラの更新はSIIの省エネ補助金(設備単位型)、既存設備のDR対応はDR対応IoT化推進事業と、対象設備・経費が重ならない形で制度を割り当てる設計です。ただし、各制度側で「同一事業・同一事業場での他補助金利用」を制限する規定を置いている場合があるため、経費が分かれていれば必ず可能というわけではありません。組み合わせ候補が決まったら、双方の要綱の併用条項を突き合わせて確認します。

  • 太陽光・蓄電池 → 東京都(地産地消型再エネ・蓄エネ)
  • 空調・ボイラ・LED等の更新 → 国(SII 省エネ補助金・設備単位型)
  • 既存設備のDR対応・IoT化 → 国(SII DR対応IoT化。ただし他の国庫補助金と併用不可)

見落としやすい注意点

第一に、交付決定前の発注は原則どの制度でも補助対象外です。複数制度を使う場合、それぞれの交付決定タイミングに発注スケジュールを合わせる必要があり、工期設計が複雑になります。第二に、都の助成金には予算到達次第受付終了のものが多く(地産地消型は予算68.1億円)、片方の制度の審査を待つ間にもう片方の受付が締まるリスクがあります。第三に、国と都で対象者の定義(中小企業等の範囲)や補助率が異なるため、同じ設備でもどちらの制度に載せるかで受給額が大きく変わります。組み合わせの設計は、金額の最大化だけでなく、スケジュールと事務負担も含めて決めることをお勧めします。

確認の手順:要綱の併用条項を突き合わせる

実務の確認手順は次の通りです。まず使いたい制度を2〜3に絞り、それぞれの公募要領・交付要綱から併用・重複受給・他の補助金に関する条項を抜き出します。次に、経費区分表(設備費・工事費・設計費等)を作り、どの経費をどの制度に載せるかを割り付けます。重複がないこと、各制度の併用条項に抵触しないことを確認したうえで、不明点は各事務局(SII・クールネット東京)に照会します。事務局への事前照会は申請前に行うのが安全で、口頭回答ではなく書面・メールでの回答を残しておくと後工程のトラブルを防げます。当サイトの無料相談でも、組み合わせ設計のご相談を受け付けています。

制度選びから採択される計画づくりまで、無料で相談できます

中小企業診断士・認定経営革新等支援機関が、制度選びから採択可能性まで無料でアドバイスします。

よくある質問

Q.同じ蓄電池に国と都の補助金を両方使えますか?

使えません。同一の経費に対する重複受給は原則不可です。蓄電池は国か都のどちらか一方の制度に載せ、他の設備・経費を別制度に割り当てる設計を検討してください。

Q.併用可否はどこで確認できますか?

各制度の公募要領・交付要綱にある併用・重複受給に関する条項が一次情報です。記載が不明確な場合は、SIIやクール・ネット東京の各事務局に申請前に照会し、回答を書面で残すことをお勧めします。

Q.太陽光は都、空調は国、という分け方は可能ですか?

対象設備・経費が明確に分かれていれば検討の余地があります。ただし各制度側の併用条項(同一事業場での他補助金利用の制限等)に抵触しないことの確認が前提です。

出典:SII DR対応IoT化推進事業(併用不可の記載例)クール・ネット東京 助成金一覧SII(環境共創イニシアチブ)事業一覧

※ 本記事は公表されている一次情報に基づく一般的な整理です。制度の要件・金額・期限は公募回ごとに変わるため、申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください。採択を保証するものではありません。

関連する補助金

監修:松下 大(中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)

公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/8/21